「自家倉庫」と「営業倉庫」の違いとは?登録が必要なケースを徹底解説

物流拠点を設ける際、「自社の荷物を置くだけなら許可はいらないよね?」「関連会社の荷物を預かる場合はどうなるの?」といった疑問を持つ方は非常に多いです。
結論から言うと、他人の物品を預かって保管料をもらうなら『倉庫業登録』が必須です。
しかし、その境界線は意外と複雑で、知らず知らずのうちに「無許可営業」になってしまっているケースも少なくありません。
この記事では、倉庫業登録が必要な「営業倉庫」と、届出不要な「自家倉庫」の違い、そして判断に迷うグレーゾーンについて解説します。
【この記事のポイント】
- 「他人の荷物」を保管するなら営業倉庫
- グループ会社の荷物でも原則は登録が必要
- 「場所貸し(不動産賃貸)」と「寄託(倉庫業)」の違い
1. 「自家倉庫」と「営業倉庫」の決定的な違い
法律上、倉庫は大きく2つに分けられます。最大の違いは「誰の荷物を扱うか」という点です。
| 比較項目 | 自家倉庫 | 営業倉庫 |
|---|---|---|
| 保管する荷物 | 自社の物品のみ | 他人の物品 |
| 対価(料金) | 発生しない | 保管料を受け取る |
| 行政への登録 | 不要 | 必要(倉庫業法) |
| 火災保険等 | 一般的な事業用保険 | 倉庫業者向けの特別な保険 |
営業倉庫(登録が必要)とは
倉庫業法では、「寄託(きたく)を受けた物品の倉庫における保管を行う営業」と定義されています。
簡単に言えば、お客様の大切な荷物を預かり、責任を持って保管し、その対価をもらうビジネスのことです。
これを行うには、国土交通大臣の登録を受けなければなりません。
自家倉庫(登録不要)とは
メーカーや小売店が、自社の商品や原材料をストックしておくための倉庫です。
自社のものを自社で管理するだけなので、倉庫業法の規制は受けません。
2. ここが誤解しやすい!要注意な3つのケース
「うちは大丈夫」と思っていても、実は倉庫業に該当している場合があります。特によくある誤解をピックアップしました。
⚠️ ケース1:親会社・子会社の荷物を預かる場合
「グループ会社だから身内みたいなものでしょ?」と思われがちですが、法人が別であれば「他人」とみなされます。
親会社が子会社の荷物を有償で保管する場合でも、原則として倉庫業の登録が必要です。
⚠️ ケース2:運送業者が一時保管する場合
運送の過程で一時的に荷物を置く(積み替えなど)場合は登録不要です。
しかし、配送の依頼主から「しばらく預かっておいて」と言われ、保管料を請求する場合は倉庫業となります。
⚠️ ケース3:「場所貸し」として契約する場合
これは非常に微妙なラインです。
スペースを貸すだけの「不動産賃貸借契約」であれば倉庫業の登録は不要です。
ただし、貸主(あなた)が荷物の出し入れに関与したり、鍵を管理していたりすると、実態は倉庫業(寄託契約)とみなされ、無許可営業となるリスクがあります。
3. 無許可で営業倉庫を行うリスク
もし登録が必要なのに無許可で営業した場合、以下のような重いペナルティがあります。
- 刑事罰:1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金
- 信用失墜:取引先(荷主)からの信頼を失い、契約解除のリスク
- 保険適用外:万が一火災や盗難があった際、適切な保険が下りない可能性
「バレないだろう」と安易に始めるのは非常に危険です。コンプライアンス重視の現代において、倉庫業登録は信頼の証でもあります。
そのビジネスモデル、登録が必要か診断します
「場所貸しとして契約書を作れば大丈夫?」「この荷物の扱いだと倉庫業になる?」
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