賃貸物件でも倉庫業登録は可能?「使用権原」の証明と契約書の必須チェックポイント

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「自社所有の倉庫じゃないと、営業許可は取れないの?」
「賃貸契約書があれば、そのまま申請できる?」

結論から申し上げますと、賃貸物件(借りている倉庫)でも倉庫業の登録は可能です。
倉庫業法では、申請者がその施設を「確実に使用できる権利(使用権原)」を持っているかが問われます。所有権である必要はありません。

しかし、契約さえ結んでいれば良いわけではありません。
運輸局に提出する賃貸借契約書の内容によっては、「使用権原が不確実」と判断され、審査に通らないことがあります。

今回は、賃貸物件で登録申請を行う際に、契約書で必ず確認すべき3つのポイントを解説します。

【この記事の結論】

  • 賃貸でも登録OK。大家さんの「別紙承諾書」は原則不要(※契約書があれば)。
  • 契約書の「用途」と「期間」の記載ミスは致命的。
  • 「又貸し(転貸)」物件の場合は、オーナーの許可証が絶対必須。

1. 契約書のここに注意!審査で落ちる記載例

倉庫業の申請時には、添付書類として「賃貸借契約書の写し」を提出します。
審査官は、以下の項目が「倉庫業を営むのに適切か」を確認します。

契約書チェックリスト

✅ 用途(使用目的)の欄

ここが「資材置場」や「工場」、「事務所」となっていませんか?
倉庫業を行うのであれば、「倉庫」等の記載が必要です。
もし用途が限定されている場合(例:自社の物品保管に限る、等)は、オーナーと覚書を交わして「倉庫業を行うこと」を明記する必要があります。

✅ 契約期間の残り

申請時点で契約期間が切れている、あるいは審査中に切れてしまうような契約は認められません。
期間が短い場合は、「自動更新条項」が入っているか、あるいは更新契約書を添付できる状態にしておく必要があります。

✅ 禁止事項の確認

「危険物の持込禁止」や「24時間利用不可」などの特約が入っていませんか?
申請する倉庫の種類(危険物倉庫など)や事業計画と矛盾する条項があると、登録できません。

2. 最大の落とし穴。「転貸(又貸し)」物件の場合

最もトラブルになりやすく、審査でストップするのが「転貸借(てんたいしゃく)」のケースです。

例えば、親会社が借りている倉庫を子会社が使う場合や、不動産管理会社が間に入っている場合など、
「オーナー(所有者)」→「借主A」→「あなた(借主B)」という契約形態を指します。

⚠️ オーナーの「承諾書」が必須になります

民法上、無断転貸は契約解除の理由になります。そのため、運輸局は「大元のオーナーが、あなたが使うことを本当に許可しているか?」を厳格に確認します。

転貸物件の場合は、契約書だけでなく、「建物所有者の転貸承諾書」の提出を求められるのが一般的です。これがないと登録できません。

3. オーナーへの説明時の注意点

これから賃貸契約を結ぶ際、オーナーや不動産会社に「倉庫業をやります」と伝えると、「又貸し(転貸)は禁止ですよ」と断られることがあります。
これは、「倉庫業」と「転貸」が混同されやすいためです。

❌ 転貸(不動産賃貸)
借りたスペースを、第三者に貸して、第三者が自由に出入りすること。
⭕ 倉庫業(寄託)
荷物を預かる「サービス」を提供すること。スペースを貸すのではなく、あなたが責任を持って荷物を管理します。
→ これは「転貸」には当たりません。

「スペース貸しはしません。私たちが責任を持って荷物を管理します」と正しく説明することで、オーナーの理解を得やすくなります。

契約前に「リーガルチェック」を推奨します

一度契約書にハンコを押してしまうと、後から内容を変えるのは非常に困難です。
「この契約内容で倉庫業の登録は通るか?」
リンクス総合法務行政書士事務所では、申請を見据えた契約書の確認・条文修正のアドバイスを行っています。

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