倉庫の施設設備基準【完全ガイド】1類倉庫から3類倉庫まで、合格に必要なスペックとは?

a large empty warehouse with no people in it

「普通の空き物件を倉庫として登録したいけれど、どんな改装が必要?」
「今の建物で審査に通るのか、基準を知りたい」

倉庫業登録において、最も高いハードルとなるのが「施設設備基準」です。
預かった大切な荷物が、雨濡れ・火災・盗難・ネズミの被害に遭わないよう、法律で建物のスペックが細かく決められています。

この基準は、保管する物品の種類(倉庫の等級)によって異なります。
今回は、日用品や家電など、ほとんどの物品を保管できる最強の倉庫「1類倉庫」を基準に、クリアすべき設備の要件を徹底解説します。

1. まずは知っておくべき「倉庫の種類(グレード)」

倉庫は、「何を保管できるか」によって求められる設備のレベルが変わります。

種類 保管できるもの 設備の特徴
1類倉庫 日用品、家電、繊維、食品など
ほぼ何でもOK
【フルスペック】
耐火、防水、防犯、防鼠など全ての基準を満たす必要がある。最も一般的。
2類倉庫 麦、塩、肥料、セメントなど 1類から「耐火性能」などを免除したもの。
3類倉庫 ガラス、陶磁器、鉄材など
(変質しにくいもの)
さらに基準が緩い。「防湿」「防鼠」などが不要。

※この記事では、最も申請が多い「1類倉庫」の基準について解説します。

2. 1類倉庫に必要な「設備基準」

建物が以下の基準をすべて満たしている必要があります。
(※建築基準法を満たしていることは大前提です)

① 構造強度と土地定着性

当然ですが、地面に定着しており、屋根と壁があること。
床は荷物の重さに耐えられる強度が必要です(※国土交通大臣の定める数値、または保管物品に応じた強度)。
※コンテナを地面に置いただけでは登録できません(基礎工事が必要)。

② 防水・防湿性能

雨水が浸入しない構造であること(屋根や壁の防水)。
また、床面からの湿気を防ぐ措置が必要です。

③ 遮熱・耐火性能

熱を通しにくい屋根・壁であること。
そして原則として「準耐火構造」以上であるか、または延焼のおそれのある外壁が防火構造であることなどが求められます。

④ 防犯措置(重要!)

泥棒が入らないための設備です。
・すべての開口部(窓・扉)に鍵があるか
警備会社の機械警備が入っているか

⑤ 防鼠(ぼうそ)措置

ネズミの侵入を防ぐ措置です。
・地窓や換気扇に金網を張る
・配管の貫通部分を隙間なく埋める
・扉の下の隙間を塞ぐ

⑥ その他の災害防止

・消火設備(消火器など)の設置
・危険物施設から一定距離離れていること

3. 実務でよく指摘される「NGポイント」

条文には書いていない細かい運用基準で引っかかるケースが多々あります。

⚠️ 窓ガラスの「網入り」

延焼のおそれのある部分(隣地境界線に近い窓など)は、防火設備にする必要があります。
通常の透明ガラスではNGで、「網入りガラス」への交換や、防火シャッターの設置が必要な場合もあります。

⚠️ 事務所との「区画」

倉庫と同じ建物内に事務所がある場合、その壁は「防火区画」(火事になっても燃え抜けない壁)で完全に仕切られている必要があります。
「パーテーションで仕切っただけ」では認められません。

⚠️ 「冷蔵倉庫(冷蔵・冷凍倉庫)」では緊急通報装置

人が中に閉じ込められた時の対策として、庫内から外部へ発信できる通報装置や警報ベルの設置が必要です。(※内側から解錠できる扉の場合は不要なこともあります)

「この建物、そのまま使える?」を診断します

施設設備基準は非常に細かく、改修工事が必要かどうかで初期費用が数百万円変わることもあります。
リンクス総合法務行政書士事務所では、図面確認や現地調査を行い、最短・最安で基準をクリアする方法をご提案します。

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